【特長】
1. 「ナンブシロメ」や「スズカリ」と比べて耐病性に優れ、ダイズモザイク病や紫斑病に対して強い抵抗性を示します。
2. 耐倒伏性が強く、最下着莢節位高3)も適正範囲にあり、コンバイン収穫に適します。
3.子実が白目で「ナンブシロメ」や「スズカリ」より大きく、蛋白質含有率が「スズカリ」より高く「ナンブシロメ」並で、豆腐などの加工に適します。
4. 成熟期が中生の早で、収量が「ナンブシロメ」より多く「スズカリ」と同程度です。
5.栽培適地は、主に東北地域北部です。
6・ダイズシストセンチュウに弱いので、センチュウ被害の発生した圃場での栽培は避けてください。
また、茎葉処理型除草剤(ベンタゾン)に対する感受性が高いので、薬害の発生に注意する必要があります。
【大豆の栄養】
大豆は、良質なタンパク質に富んでいることから、「畑の肉」「畑のマグロ」とも呼ばれています。
このほか、ビタミン類、ミネラル、ガン予防効果があるといわれているイソフラボンやサポニン、食物繊維など栄養素や機能性成分がぎっしりつまった“健康食品”です。

★農研機構資料より
■参考資料
「北海道地域」
●数年おきの冷害を避けるため、冷害に強い早生の品種を選びます。
●冷害の多い東北部では、耐冷性の強い品種を選びます。
●南部では比較的冷害が少なく、降雪もやや遅いので、極大粒などの晩生品種も栽培できます。
●中南部では、わい化病が発生しますが、抵抗性品種はまだ育成されていません。
よって、媒介虫のアブラムシ防除が必要です。
「東北地域」
●南北に長い地域のため、県ごとに主力品種が異なります。
●北部では耐倒伏性の品種を選び播種時期は東北地域で最も早く、5月上中旬です。
●中部では、機械化適性の高い白目大粒の「ミヤギシロメ」などが栽培されています。
●日本海側では、早い降雪による収穫不能を避けるため、早生品種を選びます。
●南部は、モザイク病の発生が多い地域です。
●発生地域では、媒介虫のアブラムシ防除を徹底したり、抵抗性品種を選びます。
●シストセンチュウ抵抗性品種には「リュウホウ」「スズユタカ」などがありますが、いずれも十分ではないので、連作を避けます。
「北陸地域」
●青立ちが目立つ地域では、干ばつ時の灌水やカメムシなどの虫害防除を徹底します。
●収穫時期は、比較的降雨が多いので、しわ粒の発生などの品質低下を避けるため、成熟後は速やかに収穫します。
●台風や秋の長雨によって、紫斑粒や腐敗粒の被害が出やすいので注意します。
●殺菌剤散布による紫斑病の防除、播種時期をずらす晩生の品種を作るなどの対策を取り、気象災害の危険分散を図ります。
「関東地域」
●比較的気候が安定している地域ですが、秋の長雨に注意します。
●青立ちが多く発生するので、コンバイン収穫時には、青立ち個体の除去などの対策が必要です。
●「納豆小粒」は倒伏しやすいので、極端な早播は避けます。
●この地域は、台風被害が少なく、収穫時期の気候も安定していて、比較的反収の高い地域です。
「近畿・中国地域」
●梅雨明け後の高温・干ばつが生じやすい地域です。
●褐斑が出やすい品種なので、モザイク病の多発地帯では作付けを避け、アブラムシ防除を徹底します。
●価格が高い極大粒の「丹波黒」は、倒伏や病虫害に弱いので、倒伏防止の支柱や病虫害防除の徹底などの対策が必要です。
●温暖な地域のため、播種可能時期が6月上旬から7月上旬までと長いですが、梅雨明け後の高温・干ばつが生じやすいので、干ばつ時には灌水などに注意します。
「東海・四国南部・九州」
●播種遅れとカメムシなどの虫害防除に注意します。
●生育が旺盛で倒伏しやすいので、極端な早播は避けて7月上中旬に播種します。
●この時期は梅雨末期にあたるので、十分な排水対策が不可欠です。
●播種遅れが生じたときには、半日でも早く播種する、播種密度を高くするなどの方法をとります。
●カメムシやハスモンヨトウなどの虫害が激しい地域なので、適切な虫害防除を行います。