【特長】
カボチャ「ジェジェJ」は、2~3ヶ月の貯蔵(10°C)後においても品質が優れ、端境期(12~5月)出荷が可能な多収のF
1品種である。
短節間性を有するため省力栽培が可能である。
●背景・ねらい
国産カボチャの周年供給への要望は強いが、これまで端境期におけるカボチャの生産・出荷が困難であった。
そこで、周年供給を容易にするため、省力栽培に適する短節間形質を有して収量性が高く、貯蔵後も品質が優れる品種の育成を行う。
【成果の内容・特長】
①「ジェジェJ」は、株式会社渡辺採種場が開発したつる性で高貯蔵性の「LOH」を種子親とし、北海道農業研究センターが開発した短節間性の「北海6号」を花粉親とするF
1品種である。
②生育初期において主枝(つる)は節間が詰まり、短節間性を示す。
しかし、生育中期以降は徐々に節間が伸長してつる性となる。
側枝の発生数は、「え びす」に比べて少ない。短節間で側枝が少なく株元に着果しやすいことから、整枝・誘引、収穫作業の省力化が図られ、密植栽培が可能である。
雄花の開花時期 は「えびす」と同じで、雌花の開花時期は「えびす」よりやや遅い
③果形は扁円形である。
収穫直後の果皮の地色は濃緑で緑色のすじの模様がある。
果実重量は2.0kg程度で「えびす」とほぼ同じ大きさである。
総収量、規格内収量は「えびす」、「雪化粧」以上であり、多収である。
④貯蔵2ヶ月後(10°C)の腐敗果率は「えびす」、「雪化粧」より小さい。
3ヶ月後では「雪化粧」より劣るが、「えびす」と同等以上である。
⑤貯蔵3ヶ月後における果皮色は「えびす」よりも緑色が濃く、果肉色は赤味が強まり橙黄~橙になる。
肉質は粉質性が強く、乾物率およびBrixは「えびす」より高く、「雪化粧」と同等である。
成果の活用面・留意点
- 本州、九州地域等の端境期出荷に向けた抑制栽培、北海道などの春播き露地栽培に適する。
- 密植栽培(畝幅150~200cm、株間50~60cm。または、畝幅300cm株間50cm2条植え)に適する。
- 着果後は葉の枯れ上がりによる日焼けが生じやすい。
- 貯蔵2ヶ月以降は腐敗果が発生しやすい。
- 種子は株式会社渡辺採種場より全国の種苗店を通しての販売。
★出荷用シール:100枚より