■愛三種苗 パンプレットより
【単為結果性の概要】
単為結果性とは花粉が受精しなくても、着果肥大する性質で高温、低温条件下の花粉が出にくい時期でも着果は安定します。
(草勢が弱く、花が落ちるような管理では着果はしません。)
通常のトマト栽培では、ホルモン処理やマルハナバチを使用した受粉作業が必要ですが、これは労力面や経費面、農薬の制限等、栽培上の負担となっています。
「エコスイートミニトマト」は、着果作業がなくても自然着果していくため労力軽減に役立つことに加え、非常に優れた食味と収量性で高い評価をいただいています。
【特性】
・単為結果性(自然着果)ミニトマト。
・比較的、裂果は少ない。
・糖度が高く味の濃い食味で、口の中では皮は残らず肉質はやや粉質で食べやすい。
・果重は20g程度、ミニトマトとしてはやや大きめである。(種が入ったりホルモン処理をすると大きくなりやすい)
・葉は小葉で節間は短め、茎はやや細めだがスタミナがあり、低温期や高温期にも比較的強い。
・ミニトマトで発生しやすい異常茎の発生は少ない。
・低段の花数はやや少なめの為、実は大きくなりやすいが、3段目以降は花数も増えダブルになりやすい。
・葉カビ病(Cf4)、斑点病(LS)抵抗性。TMV(Tm-2型)抵抗性
【栽培の要点】
●作型
作型はオールシーズンに適用。
高温期、低温期の着果には安定するが、草勢の弱い時、極端に強い時は玉肥大が悪くなるので草勢のコントロール管理が大切。
特に低温期の肥料切れは禁物。草勢の波を作らないように、こまめな管理を心掛けてください。
●各作型の注意点
高温期・低温期の着果は問題ないですが、極端に草勢が強い場合や弱い時は、肥大しない果実になることがあるため、
適切な草勢管理を心掛けてください。
抑制栽培 前半が高温条件のため、生育早く、茎が細くなりやすく、少花になりやすいので早めの肥培管理を心掛ける。
また、促成、半促成栽培は定植時~栽培前半が低温条件のため、草勢が強い場合10℃以下で管理すると節間が詰まり
多花・果形の乱れの原因となることもあるので注意が必要です。
夏秋栽培 生育、着色が早く、着果肥大の出だしが早いため管理は早めに行い整枝作業が遅れないよう注意する。
●育苗管理
播種床の地温は23~25℃。
播種後、本葉1.5枚くらいで移植。
ストレスをかけず、のびのびと素直に育ててください。
初期に草勢を強くすると低段の花数が少なくなるため育苗期にカリ主体の葉面散布を行うなど、花数を増やす管理に心掛けてください。
※初期のカリはあまり必要ないが、窒素を効かせすぎないように注意が必要です。
葉と葉が触れ合わないよう苗間隔を広くし、風通し、日当たりを良くする、特に高温期の育苗は風通しを良くして遮光などで温度を下げることも効果的です。
●定植準備
作付け前に土壌診断を行い、一般的な施肥設計を標準とします
※参考(N:10kg P:15kg K:15kg)
圃場により異なりますが草勢バランスを保つため、窒素を減らしすぎないよう注意が必要です。
やせ地圃場では収量が低下しやすく特性が十分発揮できないので圃場の土づくりに努めます。
太陽熱消毒を実施することは有機物の分解を促し、堆肥施用も代用するので大変有効です。
●定植
定植は1段開花前のタイミングが理想的です。極端な若苗や老化苗の定植は避けてください。
●栽培管理
生育が早いので、追肥・かん水などの肥培管理は早めに行い、草勢の維持に努めてください。
脇芽を放置すると、草勢の低下につながるので整枝作業の遅れがないように留意します。
また草勢の波を作らないようにこまめな灌水管理に心掛けてください。
厳寒期にはマルハナバチを必要としない分、ハウス内温度を下げて栽培することが可能ですが、
品質向上、果実の揃いを良くするためにも実温10℃以上の管理をお勧めします。
●病害対策
葉カビ病は中程度の耐病性を持ちますが、すすカビ病の防除も兼ねて、防除を怠らないようにしてください。
草勢はやや大人しいことから、防除を怠らないようにしてください。また自根栽培を避け、接木栽培を推奨します。
着果性が良いので、草勢が少し強めの台木に接木することで草勢および樹のバランスを維持しやすくなります。
ただし土壌病害の発生がある場合は、その回避を優先して台木を選択してください。
※おすすめの台木
「がんばる根シリーズ」 「スパイクシリーズ」